濡れたマザーボードをドライヤーで乾かしていると、スティーブがパーティ会場から再び電話をしてきた。クレアは、相変わらず事の事態を分かっていない!と、スティーブに文句を言って電話を切った。
翌日、スティーブがビーチアパートへやって来た。クレアはレポートを書き直し始めていたが、スティーブはZip Driveとディスクをクレアに見せると、ディスクにはどんなトラブルも解消してファイルを復活してくれる強力なツールが入っていて、自分は社交クラブでその使い方を聞いてきたと説明した。MacにZipをセットし、クレアが作成していたファイル名(ap'physics.arnold)を入力してしばらくすると、文字化けしたファイルが表示され始めた。クレアは「自分のレポートはこんなんじゃないっ」と文句を言うが、次のプログラムが実行されるやいなや、どんどんファイルが復元され始めて驚いた。すっかり元通りになったレポートを見て悲鳴をあげるクレアだが、スティーブは「たたかれ役はゴメンだ!」と言い残して出ていってしまった。
ニューエイジ・フェスティバルのコンサートへやって来たスティーブは、聞いている途中にバラを花束を受け取った。添えられたカードに「ごめんね」と書かれたクレアのメッセージを見たスティーブは、会場の後方に立っているクレアを発見して席をたった。ドナから、謝ったほうがいいと言われたのだ。「私もあんたに負けずお馬鹿さんなのかも」とクレアは言い、スティーブはキスをした。その光景を見たブランドンは、隣にいたケリーに「謝るということは美しいことだね」と呟いた。
【ドナ&デビッド】
ドナと一緒にビーチアパートで勉強するデビッドは、ドナをチラチラと見続けていた。それに気づいたドナは「何よ?」と尋ねるが、デビッドは何でもないと答えるばかり。ドナはクレアから、「空ディスクがあったら欲しい」と言われて席を立ち、その隙にデビッドは「明日は自分がドナに愛の告白をした日なので、ドナが予想もしない素敵なことをしたいと思っている」と、クレアにアドバイスを求めた。クレアは、ドナは「デビッドは絶対に料理しない」と言っていたとヒントを与え、それを聞いたデビッドは、自分で料理したものをドナに食べさせよう!と決めた。
9日の夜にデートしようと言われたドナは、今夜はロブのプレミアショーがあって勉強ができないので、明日は勉強をしたい...と、誘いを断った。デビッドは何とかして欲しいと頼むが、自分たちは毎日デートしているのにどうして明日の夜が大事なの?...と、考えを変えないドナ。しかし、しつこく誘ってくるデビッドを心配したドナは、プレミアショーへは行かずに今夜勉強するから!と、9日はデビッドとデートすることを約束した。
ドナは、デビッドの様子がおかしいとクレアに相談するが、事情を知るクレアは心配しないようドナに話した。
その頃、デビッドは生まれて始めての料理をするために、ピーチピットでナットさんの特訓を受けていた。しかし、上手くうかずにフライバンに火が移ってしまう。そこへドナから電話を入った。「クレアのマシンがトラブルを起こしちゃって、復旧作業を手伝っていたら、自分の勉強が全然出来なかったのよ。もうクタクタぁ〜 今夜のデートは別の機会にしてくれる?」という。ドナは「もうウンザリです」と電話を切るデビッドの様子が普通じゃないと感じていた。
翌日、「いますぐ深夜クラブへ来て」というデビッドの電話を受けたドナ。今日は休業なのに...と返事をするが、しつこく言うデビッドが心配になった。しかし、クレアは「大丈夫、信じて!」と言って、ドナを見送った。
ドナが深夜クラブへ到着した。室内の電気は落とされ、沢山のロウソクで作られた道の先には、タキシードで正装したデビッドが立っていた。何がどうなっているのか分からないドナは、ステージに設けられたビーチをイメージした食卓へ座らされ、デビッドの手料理を目の前にした。今日が何の日だかと聞かれても思い出せないドナだが、ヒントをもらって、5年前の今日、自分たちはビーチを散歩して、デビッドがドナに愛の告白をした日だとわかった。デビッドは「今もずっと愛している。その日を忘れないでいたいと思います。今も、現在も、未来も...」と言って、二人は愛を確認し合ってキスをした。
【バレリー&ロブ】
ロブの初主演映画「アダムス・チルドレン」のプレミアショーの準備は着々と進み、ついにショー当日となった。バレリーがショーの為に用意したスーツを持ってやって来た。ロブは手を動かしてないと落ち着かないと、椅子を作って気を紛らわしていたが、ラジオのDJがロブは格好いいが映画の出来は駄目だとこき下ろすのを聞くと、ラジオのスイッチを切ってしまった。バレリーは「今夜はロブの一挙一動に注目をし、報道陣は映画が気に入っても皮肉を言うかもしれない。だからタフになって、スマートに」と言い聞かせた。ロブはあの映画は最高だと信じ、バレリーもそうだと言ってキスをした。
ショーには沢山の芸能人、カメラマンが集まっていた。ショーにはブランドンとトレイシーもやってきて、バレリーはロブにブランドンを紹介した。ドナは来られなくなったが、あとは誰か来るのかと心配するバレリ−。ケリーも勉強があるから来られないらしいとトレイシーから聞くと、マライアに感化されて突然真面目になったか!と、トレイシーと一緒に笑った。
ロブは映画の途中で会場を抜け出し、追って来たバレリーに「前の席の人間がクスクス笑っていたのを聞いただろう」と言った。バレリーは笑いたい人には笑わせておけばいいと慰めたが、関係者者から「ビッグスターになれるよ。でも、次はもっと良い作品に出たほうがいい全国的な上演は考え直さねば。」と、映画については厳しい意見を聞かされて心は乱れた。バレリーは、みんながロブを評価している事の方が大事だと慰め、パーティ会場となっている深夜クラブへと急いだ。
質問を浴びせられるのは苦手なロブ。バレリーは「映画の出来はどうだっていいのよ。あなたに責任はないんだから、いい経験ができてエキサイトできたと答えればいいのよ」とアドバイスして、ロブはインタビューを受ける為にリポーターの前へやって来た。「あなたの演技は絶賛されていますが、映画についてはかなりの酷評があるようで...コメントを」と言われたロブは、「間違っている、いい映画だ。」と答えた。しかし、ロブのキャリアに傷が付くのでは?と言われて、「そういう中傷によって、何カ月も苦労してモノを作ってきた大勢の有能な人間を傷付けたいのかい? 映画を作ったことは? ないだろうな...作るよりぶち壊すのに急がしそうだからな」と言った。勝手に記事にすればいいと去ったロブゐ、なんとか取り繕うとバレリーは必至になるが、「チャンスを逃したかも」と言われてショックを受けた。
ロブは映画を褒めている記事を探すため、各雑誌、新聞を読みあさっていた。そこへやって来たバレリーは、「レポーターに対して悪態を見せたことについては、L.A.では反逆児のイメージもナイナスではない」と慰めた。ロブは「そういうのは自分には向かない...もう止める。この仕事には向いていない...自分がラッキーなのは分かっているが、インディアナへ帰る」と言った。1シーン100万ドルのスターなのに!!!と反対するバレリーは必至で止めようとし、「自分はどうなるのか?どれだけロブの為に頑張ったか」と主張した。するとロブは、(バレリーの努力は)他の奴等と同じく分け前を期待してのものだと言い、バレリーはロブに頼まれたからマネジャーになったのだと反論した。ロブは、契約がある限り勝手なマネは出来ない!というバレリーに、契約を破棄してをクビを言い渡した。怒ったバレリーは、ロブの家から出ていった。
バレリーは「(コンサートへは行かずに)家で留守番している...とても辛いの。ロブとは本当に上手くやって行きたかったのに。(ロブは)世間知らずなのよ」とブランドンに言った。ブランドンはトレイシーと喧嘩したので、二人で一緒にコンサートへ行こう!バレリーを誘うが、しばらく一人で惨めっぽい時間に浸っているから...と、ブランドンは一人でコンサートへ行くことになった。
ロブがカーサ・ウォルシュへやって来た。「こういう結果になって残念だ」というロブに、バレリーは「マネジャーは嫌だったから嬉しいけど、もう一度考え直しえて」と答えた。しかしロブの決心は固かった。バレリーは、ロブはL.A.へ戻ることはなと知ると、自分とのことはどうなるのかと尋ねた。ロブは自分がスターじゃなくても付きあってくれるかと聞くが、バレリーは「わからない。でも離れるのは辛い」と答えた。ロブはバレリーを抱き寄せてキスをした。バレリーはそれを「映画のワンシーンみたい」と呟き、ロブは行ってしまった。
【ブランドン、トレイシー、ケリー】
ブランドンは、昨年の夏にハドリーシティで出会ったマライアと再会することになった(詳細はこちら)。CUで開かれるニューエイジ・フェスティバルで、「天使に出会う」という題名の講演をすることになったのだ。マライアは、あの時ブランドンに会っていなければニューヨークへ行くこともなかったし、書いた本を出版社へ売り込むこともなかっただろうと言った。
ブランドンはマライアをみんなに紹介し、ケリーはマライアとすぐに仲良くなった。マライアはブランドンからケリーの話しを聞いていたし、ケリーはマライアの書いた本を既に読んでいた唯一の人だったからだ。トレイシーは、マライアがケリーと仲良く話すのが面白くない。そして、マライアがケリーに詳しいのはブランドンがテキサスで色々と話しをしたからだと勘繰ったが、ブランドンは相手にしなかった。
翌朝、手料理でマライアをもてなそうとしたトレイシーだが、既にケリーとビーチへ出かけてしまった後だった。トレイシーはブランドンと二人だけの食事を作りながら、「今朝は香港でのことを思い出しながら目覚めたわ。二人の関係をもっと先へ進めようと、お父さんに会って一歩前進できたもの。」と余韻に浸っていた。
トレイシーは話しを変え、ブランドンがマライアをイベントに招待したのには何かあるのでは!との思いをぶつけたが、ブランドンは「企画として悪くないと思ったからで深い意味はないさマライアとは単なる友達だ」と答えた。そして、トレイシーは「私はただの田舎者だから、いま売り出し中の作家の講演なんか聞いてもピンとこないし、楽しくないかも」と言った。
その頃、ビーチを散歩していたマライアとケリーは、ビーチアパートのテラスに腰を下ろした。ケリーは「ニューヨークには憧れる...そっちの大学院へ通おうかと考えてる。自分が住んでいるビバリーヒルズは広いようで狭く、年中仲間同士でくっついたり離れたりしているのが煩わしくて」と打ち明け、それはブランドンとのことが関係しているのかと聞くマライアに、「変化を求めているという理由と、ブランドンの事が無関係と言ったら嘘になるけれど...。離れていたい気持ちはわかるでしょ?」と話した。マライアは「それがプラス思考ならいいが...」と答えた。
マライアは講演を終え、ブランドンとトレイシーを明晩大学の野外ステージで開かれるコンサートに誘った。二人とも用事があるからと断るが、それがヒムロ・バートソンによるハープの演奏だと知ったブランドンは、予定を変更して見に来ることにしたと返事をした。
マライアは、「ブランドンとケリーは似ている。二人とも気高いものを追い求めていて、正しい事をしようとしている...心の奥底で何かを...それが何かは分からないけれど、お互いをかもね」と言い、それを聞いたブランドンは「ケリーとは付きあっていたけれど、いまはただの友達。ケリーもそう思っている。」と答えた。マライアは「私に言わせれば終わってないって気がする」と言うが、ブランドンは今夜のコンサートへはトレイシーと一緒に行くし、トレイシーとも仲良くして欲しいと頼んだ。
マライアの講演を取材したトレイシー。ブランドンはそのテープをチェックしようとスタジオへやって来たが、その内容はフェスティバルとマライアをバッシングしているものでしかない...妬みが入っているとしか思えないと言った。トレイシーは「何への妬みだ」と反論するが、ブランドンは「マライアがケリーと一緒にいることへの妬みだ」と答えた。トレイシーは、あの二人はグルになって自分を非難していると言うのだ。ブランドンは被害妄想だと言うが、「ケリーはまだブランドンを思っていると、ハッキリ自分の前で言ったんだから、それでも被害妄想っていうの?」とトレイシー。今夜のコンサートへは行かないと言って、スタジオを出ていった。
マライアは仕事の都合でコンサートへ来られなくなってしまった。スティーブは喧嘩していたクレアと仲直りして、最後に残ったのはブランドンとケリーだった。予想外に寒いと腕をさするケリーに、ブランドンは自分の上衣をケリーにかけてやった。そこへ、向かい合った二人の間に天使が舞い降りた...二人は自然とキスをした。ブランドンは「こんな事すべきじゃなかったね」と言い、お互い反対方向へと進み始めた。ケリーもブランドンも、一旦は相手の方へ振り向くが、声をかけられぬまま進んでいった。