Episode Guide

07-24:恋人たちの未練
(Spring Break Down,1997/4/2,1997/10/15)

【ブランドン、トレイシー】
バレリーに見送られたブランドンとトレイシーは、16時間も飛行機に乗って香港へやって来た。二人を迎えたのはジムだけで、シンディは病気のブレンダを看病するためにロンドンへ出かけて留守だった。
しばらくして、3人は香港の市場を探索するために出かけた。トレイシーは市場で挿し絵の素敵な本を発見したが、それは古いおとぎ話で、「一人の王子が二人の王女様を好きなってしまう話」だと知ると、一瞬顔が強張った。2つの島に住む王女様の間を、王子は船で行き来していたが、ある日嵐で船が沈んでしまい、優柔不断のせいで身を滅ぼしてしまったというのだ。

観光をし終えた3人は、中華レストランへやってきた。ブランドンは2カ月後の卒業を間近に控え、父であるジムに何かアドバイスをしてくれと言うが、ジムは自分が好きな道を選ぶのが一番だと言う。それだけを聞く為にわざわざL.A.からやって来たのか???と文句を言うブランドンだが、トレイシーが「心から愛する者を見つけるのが一番の幸せってとこかな」と割り込み、ジムもうなずいた。

トレイシーを先に宿へ帰したブランドンは、ジムと二人きり、お酒を飲みながら親子の時間を過ごすことになった。お互い親子として、友人としての会話をした。ジムは、香港の中国返還には不安はないと言っていたが、「実は大変不安」だと打ち明け、ブランドンにはトレイシーの事を質問した。ブランドンは、自分もトレイシーを愛しているが、自分の想いはトレイシーほどではない...と、告げた。それを聞いたジムは、まだケリーのことが忘れられないのだろう言い、ブランドンは「婚約指輪を持ち続けていたが、踏ん切りがついたので宝石店へ売った」と話した。ジムは、ブランドンに「過ちを犯して欲しくないんだ」と助言した。

翌朝、早くに目が覚めてしまったトレイシーは、一人で市場へ来ていた。ブランドンもトレイシーを追って市場へやって来た。なんと、トレイシーは昨日の絵本を買って持っていたのだった。「なんとなく引っ掛かっていたから...」と、買った理由を聞かれたトレイシーは答えるが、もう終わったことだろ?というブランドンに、「もう少し時間がかかるよの」と返事をした。トレイシーは、「別の島へ行こうとしているあなたを引き留めているんじゃない」と言うが、ブランドンは「違うよ」と答えて抱きあった。

【バレリー&ロブ】
バレリーは「深夜クラブのプライベートパーティに来てもらえないのが残念だわ...と」香港へ出発するブランドンとトレイシーを見送った。
翌日、ロブの家で目覚めたバレリー。ロブは「ずっとこうしていよう...」とベッドの中でバレリーを抱き、そこへアラン(ロブのマネージャー)からバレリーの携帯へ電話が入った。バレリーは彼から1万ドルをもらう代わりに、次の映画出演を説得させる約束をしていたが、もちろんロブには内緒だったので、「今は話せない」と電話を切った。
今夜は深夜クラブのプライベートパーティ。ロブは、"業界人も来て作り笑いを浮かべながら、俺の映画をこき下ろすパーティ"には行きたいないと言うが、バレリーは、"業界人も来て作り笑いを浮かべながら、あなたの映画を褒めちぎるパーティ"だから行こうと説得。

迎えの車が来たのを確認したバレリーは、ロブと二人で車へ乗り込もうとするが、中から出てきたアランに邪魔をされる。アランは事務所を移籍したばかりの女優というヘザー・ディクソンを紹介し、ロブにエスコートさせると言いのだ。ロブはバレリーと行くからと断るが、アランが彼女の意見を聞いてみようとバレリーに振った。1万ドルを受け取っているバレリーは、「私のことは気にしないで...ビジネスだと割り切って」と、ロブをヘザーと一緒にパーティへ行かせた。バレリーは、「これがショウビズさ」と言うアランを睨み付けた。

どうにかして邪魔なヘザーを消さねば...と、バレリーはヘザーに「キャメロン・クローン監督が会いたいらしい...アランが送った写真を見て連絡してきた」と嘘をつき、リムジンの運転手には「急いでないからゆっくりね」と、チップを渡してビバリーヒルトンへと走らせた。
バレリーと共にアランの前に姿を見せたロブは、バレリ−への失礼を謝れと命令するが(ヘザーをロブにあてがったこと)、アランは「悪かったが、僕は影でコソコソと企んだりはしない」と言い出した。そして、「1万ドル払ったが、次回作へ出演するよう説得したか?」と、バレリーがロブを新しい映画へ出演させるための説得係を引き受け、その見返りとしてお金を受け取ったとバラしてしまった。バレリーは「話そうと思ったが、その前にアランの汚さを証明してやりたかった」と言い訳をし、それに対してアランも反撃するが、ロブはアランをクビにすると宣告し、「あなたが考えているようなことじゃないのよ」と言い訳をするバレリーには、「そうだろよ」とだけ言って、P.P.A.D.を去ってしまった。

翌日、バレリーはバラの花を一輪持って、「あんなことは二度としない」と謝りに来た。ロブは「自分は裏切られた」と言うが、お金を受け取ったのは、アランの汚さを証明するためで仕方なかったと言うバレリーに、自分のマネジャーになって欲しいと言い出した。マネジャー経験はないし、恋愛と仕事を混同するつもりはない...と断るバレリーだが、「信頼できる人が欲しい」とロブは真剣だった。それは同時に、今回の事は許してくれるという意味だった。バレリーは許してもらえたと分かると、笑顔でロブと抱きあった。

【ケリー】
ケリーもバレリーのパーティに誘われていたが、「バレリーのパーティには行きたくない」と、一緒に行こうと言うクレアの誘いを断り続けていた。クレアは、ブランドンとトレイシーが香港に行ってるから辛いのはわかるが...と言うが、ケリーは壊れた椅子を修理しながら「これ何とか直せそうな気がするんだ...元通りにできると思う。」と返事するだけだった。すると、クレアは「捨てたいいものもある」とケリーに一言だけ言い、残されたケリーは首からさげた婚約指輪を見つめた。

土壇場までパーティへ行こうと誘うクレアだが、「嫉妬なんかしてないっ」と、ケリーの考えは変わらなかった。ところが、修理中の椅子をスティーブに壊されてしまい、断る理由がなくなってしまった...と、ケリーはパーティへ行くことを決めた。
パーティに来たケリーは全く楽しもうとせず、クレアに「楽しんでる振りくらいしなよ」と言われるが、ロブがバレリー以外の女性を連れているのを見てから機嫌がよくなった。そして、一度声をかけられて断った男性に「さっきのは双子の姉なの(笑)」と声をかけ直した。二人はお酒を飲みながら話をしていたが、ケリーは少し飲み過ぎていた。そんなケリーを心配するクレアだが、ケリーは「あんたが言ったとおり、ブランドンを忘れようとしているのよ」と返事をし、スティーブは放っておけと言うだけだった。

ところが、首に回したピーターの手がケリーのネックレスに引っ掛かり、指輪を下げていたチェーンが切れてしまった。指輪がどこかへ行ってしまったのでは!と、必至にフロアを探し回るケリー。遠くから見たクレアとスティーブも急いで駆け寄って、指輪を探すのを手伝っていたが、ピーターは「急におかしくなって...付き合いきれない」と、さっさと行ってしまった。柱の根元に落ちていた指輪を見つけたスティーブは、ケリーに「これだろ?」と手渡し、ケリーをビーチアパートへ連れて帰ることにした。

翌朝、ケリーの部屋を訪れたスティーブは、ブランドンの事はもう忘れろとケリーに言った。昨日落とした指輪が、手元に置いて置きたいからと、ブランドンが宝石店へ売った指輪を、その店から買い取った物だと知ったスティーブは、自分を苦しめるのは止めて、どこか見えない所へしまうようにアドバイスした。指輪のことを知っているのはスティーブとクレアだけ。ケリーは、ブランドンには絶対に内緒にしておいてと頼んで、スティーブも誰にも話さないことを約束して部屋を出ていった
一人になったケリーは、クローゼットの奥にしまってあった小箱を取りだすと、その中に指輪を閉まってフタをした。

【ドナ】
Dr.マーティンの回復はオリンピック級!?と早く、退院できることになった事をドナと一緒に喜んでいた。右腕と右足を動かすことはできないが、医師によればリハビリで回復するし、記憶力も元に戻るという。フェリースは、最高のリハビリ施設を医師に紹介してもらったが、ドナはDr.マーティンを施設に預けるのには大反対だった。命の危険はなくなったが家へ帰れる状態じゃないし、専門家に任せるの方が良いというフェリースと、家族の思いやりと愛情が一番大切だというドナの意見は真っ向から対立していた。

ドナは、ピーチピットでデビッドと在宅介護についていろいろ調べていた。デビッドは「気持ちはわかるが慎重に!」とアドバイスするが、家族の愛情こそが一番だと言い、自分が幼い頃の話しをし始めた。ドナの具合が悪くなると、フェリースはすぐに救急箱を持ちだしたが、パパは違っていた。薬よりも愛情こそが最良の治療薬だと言ってドナを部屋のベッドへ寝かね、窓に飾られたプリズムを見て「あれが虹の向こうにあるお菓子の国へ連れていってくれるゾ」と言ってくれるのだ。それで自分が元気になったので、パパの場合も必ずそうだ!と主張した。ドナの決心が変わらないとわかったデビッドは、明日にでも介護支援センターで詳しい話を聞いてくると申し出た。
この一年、ドナに何度も助けられたので当然だというデビッドに、ドナは「パパが無事に家へ帰ったら、あなたの悩みを解決しましょう」と提案した。

リバビリセンターで療養するか、在宅介護かでフェリースとは平行線のままのドナだが、デビッドが介護支援センターから貰ってきた介護グッズを見て、これなら自宅で介護できるとママに証明できる!と自信を持った。ところが、デビッドは「介護用品を全て揃えても問題は解決しないと思う」と、在宅介護ので聞いてきた大変さをドナにも体験させるため、左腕へ後ろへ回すようドナにに言った。右手だけになったドナは、オレンジを渡されて皮を剥くように言われるが出来ず、瓶のフタさえも空けることができなかった。ドナは何でも自分が代りにやると言うが、デビッド曰く、フェリースが反対している限り、介護用品は全く役に立たないのだ。しかし、「ママの幸せよりもパパの幸せをとる!」と、ドナの意志は変わらなかった。

再び病室へやって来て、介護用品の素晴らしさをアピールするドナ。しかし、Dr.マーティンから「帰れる気がしたが、それは間違いだった。介護用品を買い揃えても問題は解決しない。」と告げらて驚いた。「お前にはお前の人生がある。」というDr.マーティンに、ドナは重荷だとは思わないと言うが、「これからも嫌われないように結論を出したんだ」と言われてしまった。

再び病室へやって来たドナだが、Dr.マーティンは放射線科で肺の検査中で、そこにはフェリースしか居なかった。フェリースは、仮に自宅へ連れて帰っても付きっ切りで介護するのは自分で、その自分の人生はどうなるのかと涙ながらに訴えた。そして、もし二人きりの時に何かあったら恐いの...と、初めてフェリースは自分自身の弱さを表に現した。これまで強い態度で取れたのは、どんな事があってもパパが支えてくれると分かっていたからだと打ち明け、もしも介護に失敗したら...と、そんなフェリースを見たドナは、看護婦も雇うし、自分も力になるから大丈夫だと勇気づけた。ドナの前向きな姿勢に励まされたフェリースは在宅介護することに同意し、二人は強く抱きあった。

Dr.マーティンの部屋の支度を任されたドナ。デビッドも、バスルームに手すりを付けたり、階段に滑り止めを付けたり協力していた。そこへDr.マーティンとフェリースが戻ってきた。フェリースは、温かな雰囲気の部屋と、窓に飾られたプリズムが綺麗...全てドナに任せて良かったと礼を言った。


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